デザインの現場「これ、誰がデザインしたの?」 : 欧文組版に以下の例が挙げられ、上のほうはワードスペースが開きすぎ、下のほうは行末の長い短いの差がありすぎなんて答えがありやした。
個人的には下でもOKだと思うのですが、箱組みの美しさにこだわる人には許せない組版なのでしょうね。で、箱組みにこだわって、それなりに美しく見せるには字間を開けるか、responsibleやproportionsをres-ponsibleやpro-portionsにして改行するしかないわけです。まぁ、これとて個人の好みなのですが。。。
英語はからっきしなのですが、読みやすさの観点から欧文組版は日本語組版より良くできてるなとつねづね感じてます。と言うのも文節で行末処理されているからです。res-ponsibleになることはあってもresp-onsibleになることはないでしょう。
ところが、日本語組版では文節で行末処理されることなく、読み違えが多々発生し読むリズムを崩されてしまうんです。著者の方もリズム感を持って書かれている文は、読む側もリズム感を持って読みます。ところが、行末に読み違えるような字がくるとリズム感が崩れてしまいます。ページをめくるとなるとなおさらです。リズムが崩れるだけでなく意図しないことさえ起こりうるのです。以下は幼稚園の作文集にある息子文章とします。
下品な例で ヾ(_ _。)ゴメン。。。。
で、話を続けます。読んでいる側は無意識の内に行末に「ひと呼吸」を入れます(自分はそうです)。改ページでめくるときはなおさらです。
いい例がすぐには浮かばないのですが代表的なのが「は」です。「は」と読むか「わ」と読むかは前後にかかってきます。「は」と読むべきところを「わ」と読んでしまうと、読み違えに気づき前の行に戻って読み直したことはないでしょうか?(自分はよくあります)。
彼はにかみ屋さんだから(云々)の文が、彼は(行末改行)にかみ屋さんだから(云々)となれば、誰しも「カレワ」と読むのではないでしょうか? この場合の最適解は、彼(行末改行)はにかみ屋さんだから(云々)ではないでしょうか?
デザインの基本は読みやすさ、伝わりやすさです。組版の基本も同じです。読み違えることのないよう文節が行末にくる組版が基本だと思うのです。そうは感じてはいても末端オペレータではどうしようもなく、こういったこだわりを持った編集者の仕事をしたいとつねづね思っていたのですが、出会うことはありませんでした。
今後の出没予定地
1/19はDTP Booster010
2/6は第21回「日本語の文字と組版を考える会を振り返る」
ともに24時間勤務明けなのでオフ会には参加できないと思いますが、お会いする方々よろしくです。
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